世界保健機関(WHO)は23日、新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)が最悪期を過ぎたかどうかを検討するため、専門家による緊急委員会を開いた。多くの国・地域で感染ペースが鈍化する中、「最悪期を越えた(ポスト・ピーク)」と認定するか議論されている。結論は24日に公表される。一方、大量発注で余ったワクチンの始末に追われる欧米では、パンデミックとしたWHOの判断の妥当性をめぐり議論が浮上。今後の対策に微妙な影を投げかけている。
「(昨年6月に出した)パンデミック宣言や各国に推奨した対策は、製薬会社の不当な影響を受けて行われたものではない」
WHO事務局長特別顧問で新型インフルエンザ対策責任者のフクダ博士は先月26日、欧州会議(本部・仏ストラスブール、加盟47カ国)のヒアリングで真っ向から反論した。
言わずもがなの釈明を迫られたのは、同会議保健委員長でドイツ人医師のボーダルク博士が「偽りの宣言を発した経緯を明らかにすべきだ」との動議を出したため。同博士は英仏メディアで「WHOのある人々は製薬会社とつながっており、(各国にワクチンを過剰注文させるため)恐怖心を拡大させた。こんな厳戒態勢を敷く理由はなかった」などと非難していた。
焦点の一つはパンデミックの定義。WHOは数年前まで「多数の人々が感染または死亡する」事態としていたが、今回の宣言に当たり「人々が免疫を持っていないウイルスが大陸を超えて広がる」事態にハードルを下げた、という指摘だ。フクダ博士は「症状の重さは流行の過程で変わり得る。我々の仕事は予防で、被害を減らすことだ」と説いたが、欧州会議は一連の経緯を検証することを決めた。
欧米でWHOが批判されるのは、金融経済危機に伴う財政難で予算の“無駄遣い”に世論が過敏になっている事情もある。推計では、欧州全体で薬とワクチンの準備に充てられた予算は総額120億ユーロ(約1兆4850億円)。WHOが当初2回接種を推奨したことから、人口を上回る量を確保した国も多く、製薬会社は収益を大きく伸ばした。
ところが、実際に使用されたワクチンは想定を大幅に下回った。各国はワクチンの余剰を減らすため製薬会社と交渉。先月、ドイツが注文した5000万接種分の3割削減で合意。仏も約半分を削減した。両国は十数億~数百億円を支払わずに済んだが、残りを使い切れるか不明だ。一方、AP通信によると、ポーランドはワクチンを一切輸入していないが死亡率は他の欧州諸国と大差なかった。
だが、欧米のWHO批判は「富める国のエゴ」の側面も否定できない。WHOは余剰ワクチンを途上国などに振り分けることを推進しているが、先進諸国は「予算の無駄」批判を恐れて余剰分を解約・売却しようとするため、なかなか進まない。
WHO担当者は警告する。「自国優先の論理と地球全体の要請の間には、ずれがある。はるかに毒性の強い鳥インフルエンザが大流行したら、世界がバランスよく迅速に対応できるだろうか」【ジュネーブ伊藤智永】
◇国内患者も減少傾向
国内では既に「昨年11月末に新型インフルエンザ流行のピークを越えた」(厚生労働省)とみられている。また、日本の新型インフルエンザ対策は国内の流行状況を基準とするため、WHOのパンデミック宣言や「最悪期は過ぎた」という判断の影響は受けない。
国立感染症研究所によると、インフルエンザの定点医療機関(全国約5000カ所)調査では2月14日までの週で、3週連続で患者数は減少し、全都道府県で注意報レベルを下回った。全国で医療機関を受診した推計患者数は計約2043万人。入院報告数は計1万7360人で、死者数は193人だ。
ワクチン接種も下火になっている。国産ワクチンが約5400万回分生産されたほか、国は輸入ワクチン9900万回分の購入契約を結んだ。だが、国産ワクチンは1月末時点で全体の約14%に当たる約737万回分が余り、輸入ワクチンの初回出荷(2月8日)は4都県でわずか136回分にとどまっている。
政府は昨年9月、ワクチン調達が困難な途上国を支援するため、約11億円の緊急無償資金協力を行うと発表した。しかし、需要が伸びないため今後大量に余るとみられるワクチンについては、途上国への売却や贈与はせず、一部を解約できるよう海外メーカーと交渉を続けている。
厚労省は「輸入ワクチンの有効期限は1年間で、年内に再び流行する可能性もある。国民のワクチン接種への意識は低くなったが、何かのきっかけで接種への意識が高まることも考えられ、備蓄は必要だ」(結核感染症課)と説明している。【関東晋慈】
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毎日新聞 2010年2月24日 0時51分
ヒブワクチン:「全員に」未接種で子亡くした両親訴え
「『任意』のワクチンなので、まさか死ぬような病気になるとは思っていなかった」。「インフルエンザ菌b型」(ヒブ)による細菌性髄膜炎で昨年12月に亡くなった山口県周南市の齋藤伊吹(いぶき)ちゃん(1歳9カ月)の両親が心情を語った。ヒブワクチンは08年12月に任意接種が始まったが、伊吹ちゃんは未接種。国は公費で全員に接種する定期接種化の検討を始めたばかりで、家族らは「一刻も早い定期接種化を」と訴える。【田村彰子】
伊吹ちゃんは昨年11月23日夜に発熱。当初は新型インフルエンザが疑われたが、24日に容体が悪化して脳死状態になり、26日にヒブへの感染が判明。12月1日に母親(36)の腕の中で亡くなった。
外で遊ぶのが大好きな男の子。童謡「汽車ぽっぽ」が好きで、メロディーに合わせて片言で歌った。父親の齋藤学さん(36)は「今もその歌を聞くことができない」と語り、母親は「暖かくなったら外にいっぱい連れていこうと思っていたのに」と声を詰まらせた。
ヒブへの感染が分かった時、母親は「かかりつけ医のところに、そんなことが書かれた紙が張ってあったかもしれない」とぼんやりと思い出した。だが、「『任意』ということで、危険度も『定期』よりワンランク落としているのかと思っていた」と振り返る。
伊吹ちゃんを診察した周南市の「たにむら小児科」の谷村聡院長も「任意接種である限り、病気の怖さとワクチンの必要性を説明するには限界がある」と悔しさをにじませる。齋藤さんは「周囲には『インフルエンザで亡くなった』と誤解している方もいる。伊吹はヒブの怖さを知らせ、『ワクチンを定期接種にしてほしい』とのメッセージを残してくれたと思う。一人でも多くの子どもの命を助けてほしい」と訴えた。
厚生労働省は厚生科学審議会の部会で、予防接種法改正も視野に定期接種化を含め議論する。だが、新型インフルエンザへの対応が先行し、ヒブの具体的な議論は来年度以降にずれ込む見通しだ。
ヒブに詳しい国立病院機構三重病院の神谷斉名誉院長は「国が効果や安全性を考慮し、ワクチンを認可しているのに、任意で勝手に接種しなさいという方針は理論的に矛盾している」と指摘している。
◇ことば ヒブワクチン
生後2カ月以上の乳幼児に接種し、菌への抵抗力が生じる5歳以上は必要ないとされる。インフルエンザ菌b型(ヒブ)はインフルエンザ患者から見つかったため、その名が付いたが、インフルエンザとは無関係。日本では年間約600人の乳幼児が発症し、死亡率約5%。約20%に重い後遺症が残るとされる。世界保健機関(WHO)が98年、乳児への定期接種を勧告し、08年末時点で133カ国が実施。日本は任意接種のため、多くの自治体では全額自己負担で1回7000~8000円かかる。通常、4回接種する。
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毎日新聞 2010年2月21日 2時32分(最終更新 2月21日 2時32分)
新型インフルエンザ:患者の女性死亡 因果関係は否定 /福岡
北九州市は19日、市内の医療機関に入院中だった新型インフルエンザ患者の女性(42)が死亡したと発表した。女性は基礎疾患があり、ワクチンは接種していなかったが、直接の死因はサイトメガロウイルス感染による肺炎で、新型インフルエンザとの因果関係はないという。
市保健衛生課によると、女性は昨年12月28日に血液疾患の治療で入院後、1月9日に発熱。その際、タミフルを投与され、同14日に症状は治まったが、今月13日に容体が悪化して死亡。医療機関の依頼で市が調査した結果、新型インフルエンザ感染を確認した。
サイトメガロウイルスはヘルペスウイルスの一種で、免疫機能が低下した人に病気を引き起こすという。
〔北九州版〕
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毎日新聞 2010年2月20日 地方版
新型インフルエンザ:36歳男性が死亡 基礎疾患なし /東京
都は16日、新型インフルエンザに感染した都内の男性(36)が15日に死亡した、と発表した。男性に基礎疾患はなかった。
都福祉保健局によると、男性は8日に発熱を訴え、近所の診療所を受診。インフルエンザA型と判明したため、タミフルを処方された。10日に脱水症状となり緊急入院。その後新型インフルエンザが確定したが、溶血性連鎖球菌感染症による敗血症の併発も確認され、15日に死亡した。死因は敗血症性ショックだった。【江畑佳明】
〔都内版〕
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9月号
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新型インフル:ワクチン接種後に死亡…「因果関係あり」初
毎日新聞 2010年2月17日 地方版
新型インフルエンザ:患者数、2週連続で減少
厚生労働省は12日、インフルエンザの定点医療機関(全国約5000カ所)調査で、1~7日の1施設当たりの患者報告数が4・26(前週6・46)だったと発表した。2週連続の減少で、注意報レベルとされる10を超えた都道府県は、山梨(10・70)、福井(10・53)、沖縄(10・12)だけになった。新型以外の季節性インフルエンザの流行は確認されていない。
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新型インフル:流行で急性脳症が急増…5~9歳を中心に
毎日新聞 2010年2月13日 東京夕刊
新型インフルエンザ:流行で急性脳症が急増 5~9歳を中心に
インフルエンザによる急性脳症の発生報告が、例年に比べ急増していることが、国立感染症研究所のまとめで8日分かった。新型インフルエンザの流行が影響しているとみられる。専門家は、ワクチンによる感染予防や早めの受診を呼びかけている。
脳症は、体内に侵入したウイルスへの免疫反応が過剰になって起きるとされる。インフルエンザ発症後1~2日で発症し、長く続くけいれん、幻覚などの意識障害が特徴だ。
感染研が全国約5000医療機関からの報告をまとめたところ、「新型」の流行が始まった昨年7月以降の脳症患者は285人(1月24日現在)で、新型によるものが84%を占めた。年齢は7歳が39例(13・7%)と最多で、5~9歳が中心だった。病院側から回答があった118例のうち8人が死亡、14人に後遺症が残った。
一方、季節性インフルエンザによる従来の報告数は毎シーズン40~50件程度で、患者も0~4歳が中心という。
新型のウイルスは肺まで達しやすく、それが脳症につながりやすいとの指摘がある。関心の高まりで報告数が増えている可能性もあるという。感染研感染症情報センターの安井良則・主任研究官は「新型の感染者は減少傾向にあるが、子どもの様子を注意深く観察し、早めの受診を心がけてほしい」と話す。【関東晋慈】
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新型インフルエンザ:4歳男児が死亡--名古屋市 /愛知
毎日新聞 2010年2月9日 東京夕刊
新型インフルエンザ:50代男性が死亡 山口県4人目
山口県は8日、新型インフルエンザに感染した山口市の50代の男性が死亡したと発表した。死因は肺炎で、基礎疾患はなく、ワクチンの接種を受けていなかった。県内での死亡は4人目。
健康増進課によると、1月25日、発熱し市内の病院に受診したが、治まらないため26日に市内の別の病院に救急搬送され、重症肺炎と診断された。2月3日、遺伝子検査でインフル感染が確認され、抗インフル薬を投与されたが、7日に死亡した。県内での死者は昨年12月6日以来、2カ月ぶり。
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毎日新聞 2010年2月9日 西部朝刊
短信:新型インフルで中3男子死亡 /千葉
県は8日、新型インフルエンザに感染した印旛保健所管内の中学3年生男子(15)が死亡したと発表した。死因は新型インフルエンザウイルスによる急性心筋炎。男子生徒に基礎疾患はなく、ワクチンは未接種だったという。新型インフルエンザによる死亡は県内3例目。県健康危機管理対策本部によると、男子生徒は1月11日に発熱とのどの痛みを発症。12日に呼吸停止し緊急搬送され治療を受けたが、2月8日に死亡した。感染経路は特定できていないという。
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9月号
新型インフル:ワクチン接種後に死亡…「因果関係あり」初
毎日新聞 2010年2月9日 地方版
新型インフルエンザ:長野の70代女性が死亡--県内4人目 /長野
長野市保健所は8日、新型インフルエンザに感染した長野市在住の70代女性が死亡したと発表した。死因はインフルエンザによる心不全。女性はうっ血性心不全や心室細動など基礎疾患があり、主治医の判断でワクチンは接種していなかった。新型インフルエンザの感染(感染疑いを含む)による死者は県内で4人目。
市保健所によると、女性は昨年から市内の病院に入院しており、1月23日に発熱し、24日にいったん下がったものの、28日に再び38・2度まで上がった。簡易検査でA型インフルエンザに陽性反応が出たため、タミフルを投与し解熱したが、翌29日に症状が悪化、市内の別の病院に転院し、人工呼吸器を付けて治療した。
2月2日にはPCR(遺伝子)検査で新型インフルエンザの陽性反応が出て、症状が回復しないまま7日に死亡した。医師などの病院関係者や他の入院患者、家族らからインフルエンザ感染は報告されておらず、感染経路は不明という。【小田中大】
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新型インフル:ワクチン接種後に死亡…「因果関係あり」初
毎日新聞 2010年2月9日 地方版
新型インフルエンザ:治療薬タミフル耐性ウイルス、県北の70代男性から検出 /福島
県は5日夜、新型インフルエンザに感染した県北地方の70代男性から、県内で初めて、治療薬「タミフル」に耐性を持つウイルスを検出したと発表した。
県医療看護課によると、男性は昨年11月22日に発熱し、同24日にせきの症状が出るなど呼吸状態が悪化して肺炎で入院。簡易検査でインフルエンザA型陽性を示したため、タミフルを処方された。その後、遺伝子検査で新型感染が確認されたが回復し、12月12日に退院した。
1月28日に県衛生研究所でウイルスの遺伝子解析を行ったところ、遺伝子変異が見つかった。今月5日に国立感染症研究所で検査した結果、タミフルへの耐性を持つことが分かった。別の治療薬「リレンザ」の耐性はなかった。タミフル耐性のウイルスは、全国では4日までに46例確認されている。【関雄輔】
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毎日新聞 2010年2月7日 地方版
ニュースBOX:新型インフルで県内5人目死者 /茨城
県保健予防課は5日、つくば保健所管内に住む40歳代の男性が同日、新型インフルエンザウイルスによる劇症型心筋炎で死亡したと発表した。男性に持病はなかった。県内の新型インフルエンザ感染による死亡は5人目。
同課によると、男性は高熱で診察を受けた今月1日に意識障害に陥ったまま、意識が回復せず、5日朝に死亡した。2日のPCR(遺伝子)検査で新型ウイルスへの感染が確認されていた。
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毎日新聞 2010年2月6日 地方版
新型インフルエンザ:女性2人が死亡 死者、計6人に /静岡
県は4日、富士保健所管内に住む80代の女性が新型インフルエンザによる呼吸不全で亡くなったと発表した。浜松市保健所も同日、新型インフルエンザにかかった浜松市中区の60代の女性が肺炎で死亡したと発表した。ともに持病があったという。県内で新型インフルエンザに感染し亡くなったのは計6人となった。
県によると、80代の女性は先月6日、風邪の症状などを訴えて入院。急性心筋こうそくとうっ血性心不全と診断された。遺伝子検査で新型インフルエンザに感染していることが同9日に判明し今月2日に死亡した。
浜松市保健所によると、60代の女性は持病で入院中の先月28日に発熱。今月2日、インフルエンザの簡易検査で陽性を示したためタミフルを投与したが、3日に亡くなった。遺伝子検査の結果が4日に分かり、新型インフルエンザ陽性と確認された。【瀬上順敬、松久英子】
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毎日新聞 2010年2月5日 地方版
新型インフルエンザ:タミフル耐性ウイルス、5歳男児から検出 /奈良
県は3日、生駒郡内に住む男児(5)から、インフルエンザ治療薬「タミフル」の耐性を持つ新型インフルエンザウイルスが検出されたと発表した。県によると、全国で46例目。男児の周囲に重症化した患者がいないことから、耐性ウイルスの感染拡大はないとしている。
県によると、男児は昨年11月26日に発熱し、診療所を受診。簡易検査でインフルエンザA型陽性を示し、タミフルを服用した。しかし、症状が改善せず、12月1日に奈良市の病院に入院。遺伝子検査で新型インフルエンザ陽性と確認され、治療薬「リレンザ」を服用したところ回復し、同7日に退院した。
県が今年1月18日に県保健環境研究センターで遺伝子解析をした結果、タミフル耐性を示す遺伝子が検出された。【阿部亮介】
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毎日新聞 2010年2月4日 地方版
新型インフルエンザ:7月以降累計、1000万人に 地方で患者急増
厚生労働省は27日、7月以降のインフルエンザ患者数が1000万人を超え、今月22日までに1075万人に達するとの推計結果を発表した。16~22日の1週間に全国約5000カ所の定点医療機関を受診した患者数は、1施設当たり今シーズン最多の38・89。昨冬の季節性インフルエンザのピーク(今年1月19~25日)だった37・45を上回り、地方都市を中心に流行がさらに拡大している。
厚労省によると、1週間の推計患者数は10月後半から100万人を超え、16~22日は173万人。前週より10歳未満が20万人増えており、厚労省は「感染者の低年齢化が進んでいる」とみている。7月以降の累計では、5~9歳の285万人、10~14歳の309万人が受診した一方、60歳以上の患者は10万人にとどまる。検出されたウイルスのほとんどが新型で、季節性は流行のきざしがない。
地域別では、初めて全都道府県で定点1施設当たり20を超え、警戒レベルとされる30も41府県で突破した。大分(77・21)▽福井(71・25)▽石川(65・02)▽山口(64・31)のほか、5県で50を超えており、厚労省は「流行開始が遅かった地方都市で、患者が急増している」と分析している。【清水健二】
毎日新聞 2009年11月28日 東京朝刊
新型インフルエンザ:ワクチン接種後、死亡者100人超す 8割が70歳以上
厚生労働省は28日、新型インフルエンザワクチンの接種後に死亡した人が100人を超えたと発表した。25日現在、医療機関から1899件の副作用報告があり、入院相当以上の重篤が294件、死亡が103件含まれていた。この間の推計接種者は1492万人で、死亡の報告頻度は0・0007%だった。
死亡者のうち80人が70歳以上で、持病を持つ優先接種対象者だった。【清水健二】
毎日新聞 2009年12月29日 東京朝刊
新型インフルエンザ:疑いの伊丹の乳児が死亡--西宮 /兵庫
西宮市は2日、新型インフルエンザ感染の疑いのある伊丹市内の男児(11カ月)が西宮市内の医療機関で肺炎による呼吸不全で死亡したと発表した。男児は慢性肺疾患があった。県内で新型インフルエンザ感染患者の死者は疑い例を含め14人目で、この男児は最も年少だった。国内では185人目。
市健康増進課によると、男児は先月28日に39度台の発熱があり、かかりつけの医療機関でタミフル投与などをうけたが、30日に死亡した。簡易検査でA型インフルエンザと診断されたが、新型インフルと確定するためのPCR検査は実施していない。【津久井達】
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毎日新聞 2010年2月3日 地方版
新型インフルエンザ?:70代の男性死亡 県内3人目 /長崎
県は2日、新型インフルエンザ感染が疑われる県内の70代男性が死亡したと発表した。男性には気管支ぜん息などの持病があったという。新型インフルエンザ感染疑い患者の死亡は県内では3人目。
県新型インフルエンザ対策本部によると、男性は昨年12月31日に発症。1月2日に医療機関を受診し、タミフルを処方された。しかし、症状が悪化し、同月30日に急性肺炎で死亡した。主治医は「新型インフルエンザが直接の死因ではないが、影響を及ぼした可能性がある」としている。男性は予防接種はしていなかった。
〔長崎版〕
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毎日新聞 2010年2月3日 地方版
新型インフルエンザ:44歳男性が死亡 /新潟
県は1日、新型インフルエンザに感染した県内在住の男性(44)が死亡したと発表した。県内での死亡は4例目。
男性は1月28日夕方に発熱し、医療機関で診察を受け、簡易検査でインフルエンザと診断された。治療薬リレンザを処方されたが、容体が悪化し、同30日夜に亡くなった。死因は心筋炎の疑いがあるが、基礎疾患はなかったという。【小川直樹】
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新型インフルエンザ:60代男性死亡 県内4人目 /宮崎
県は29日、高千穂町の60代男性が新型インフルエンザに感染し死亡したと発表した。男性には慢性腎疾患や糖尿病などの持病があった。
県健康増進課によると、男性は18日に発熱し医療機関を受診した。タミフルやリレンザを処方されたが40度以上の熱が続き28日、死亡した。
男性は予防接種を受けていたが、持病の肥厚性硬膜炎の治療薬の影響で免疫が抑制された状態だったという。県内の新型インフルエンザによる死者は4人目。
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新型インフルエンザ:ワクチン接種後、80代女性が死亡 「因果関係あり」初
厚生労働省は29日、新型インフルエンザのワクチン接種を受けた新潟県内の80代女性が急死し、主治医から「接種との因果関係あり」との報告があったと発表した。ワクチン接種後の死亡は27日までに117件確認されているが、他はすべて「因果関係なし」か「評価不能」で、「関係あり」の報告は初めて。厚労省は専門家に検証を依頼している。
厚労省によると、女性は26日ワクチン接種を受け、副作用が出ないことを確認して30分後に医療機関を出発。約10分後、路上で倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。死因は不明。女性には高血圧や心臓の弁の働きが弱い持病があった。
主治医は報告の中で、注射で血圧低下などの過敏反応を起こす「アナフィラキシー・ショック」と、突然の不整脈や肺塞栓(そくせん)などの可能性が同程度考えられると説明している。厚労省は「接種から数時間で急死したケースはこれまでもあり、因果関係は即断できない」としている。【清水健二】
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毎日新聞 2010年1月30日 東京朝刊
新型インフルエンザ:タミフル耐性、死亡例で県内初確認 /新潟
県は29日、新型インフルエンザに感染し18日に死亡した県内の男性(71)から、治療薬タミフルに耐性を示すウイルスを確認したと発表した。タミフル耐性のウイルスは県内では4例目だが、死亡例では初めて。
県によると、男性は肺気腫の持病があり、昨年12月17日に発症した。同20日にタミフルを処方されたが、改善せず入院。今年1月初旬に回復したが、細菌性肺炎を併発して死亡した。
男性から採取したウイルスを検査し、今月21日にタミフル耐性を示す遺伝子変異を確認。治療薬リレンザには耐性を示さなかった。【岡田英】
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毎日新聞 2010年1月30日 地方版
新型インフルエンザ:さいたま市の83歳男性死亡 /埼玉
さいたま市は29日、新型インフルエンザに感染した疑いのある市内在住の男性(83)が、肺炎で死亡したと発表した。28日にA型の感染が確認されており、市は新型の感染者と見ている。県内の死者は、疑い例を含め9人目。男性は28日に発熱し、肺炎による呼吸困難のため入院して酸素投与を受けたが、29日未明に亡くなった。末期の胃がんを患っていた。【稲田佳代】
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厚生労働省は29日、新型インフルエンザのワクチン接種を受けた新潟県内の80代女性が急死し、主治医から「接種との因果関係あり」との報告があったと発表した。ワクチン接種後の死亡は27日までに117件確認されているが、他はすべて「因果関係なし」か「評価不能」で、「関係あり」の報告は初めて。厚労省は専門家に検証を依頼している。
厚労省によると、女性は26日ワクチン接種を受け、副作用が出ないことを確認して30分後に医療機関を出発。約10分後、路上で倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。死因は不明。女性には高血圧や心臓の弁の働きが弱い持病があった。
主治医は報告の中で、注射で血圧低下などの過敏反応を起こす「アナフィラキシー・ショック」と、突然の不整脈や肺塞栓(そくせん)などの可能性が同程度考えられると説明している。厚労省は「接種から数時間で急死したケースはこれまでもあり、因果関係は即断できない」としている。【清水健二】
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9月号
毎日新聞 2010年1月29日 20時05分
新型インフルエンザ:4歳男児が死亡--名古屋市 /愛知
名古屋市は26日、新型インフルエンザに感染した同市内の男児(4)が死亡したと発表した。男児に基礎疾患はなく、死因は症状からインフルエンザ脳症か心筋炎の可能性が高いという。市内の新型インフルエンザ感染患者の死者は8人目。
市健康増進課によると、男児は23日に38度台の発熱があり、24日に心肺停止状態となった。救急搬送されたが同日、死亡した。26日の検査で新型インフルエンザと確認された。
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毎日新聞 2010年1月27日 地方版
新型インフルエンザ:50代男性が死亡 県内6人目 /栃木
県は25日、新型インフルエンザに感染した県内の50代男性が死亡したと発表した。新型インフルエンザの感染者の死亡は県内6人目で、全国で179人目。
県健康増進課によると、男性は11日午後8時ごろ、39度の発熱があり、医療機関を受診した。肝・腎機能低下、劇症肝炎の疑いで、別の医療機関に搬送され、入院。13日にA型インフルエンザと診断され、14日にPCR検査の結果、新型インフルエンザの感染が確定した。タミフルの投与を受けたが、23日午後3時10分ごろ、死亡が確認された。死因は劇症肝炎だった。【戸上文恵】
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9月号
毎日新聞 2010年1月26日 地方版
新型インフルエンザ:高知の40代女性死亡--県内2人目 /高知
高知市は25日、新型インフルエンザに感染した同市内の40代無職女性が死亡したと発表した。新型インフルエンザワクチンは未接種で、死因は細菌性肺炎。糖尿病の基礎疾患があり、免疫力が低下したため細菌の感染を併発したとみられるという。
同市新型インフルエンザ危機対策本部によると、新型インフルエンザ感染者の死亡は県内2人目で、全国では178人目。感染源は不明で、周囲への感染は今のところ確認されていない。
女性は先月21日、全身のだるさなどの症状が出たため簡易検査を受けたが陰性だった。翌22日夜に発熱や呼吸困難など症状が悪化し、再度の簡易検査で陽性だったためタミフルを投与。市内の病院に入院し、先月24日、遺伝子検査(PCR検査)で新型インフルエンザ感染が確認された。その後、今月24日午後4時に死亡した。【千脇康平】
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毎日新聞 2010年1月26日 地方版
新型インフルエンザ:感染で男性が死亡--菊池市 /熊本
県は20日、新型インフルエンザに感染していた菊池市の30代男性が死亡したと発表した。基礎疾患はなかったという。
県健康危機管理課によると、男性は16日に発熱し、自宅療養でいったん回復したが、20日朝、呼吸不全を起こして救急搬送された。午後2時18分に急性呼吸促迫症候群で死亡した。その後、遺伝子検査で新型インフルエンザに感染していたことが確認された。
毎日新聞 2010年1月21日 地方版
新型インフルエンザ:今治の70代女性が死亡--県内で2人目 /愛媛
県は20日、新型インフルエンザにかかった今治市内の70代女性が死亡したと発表した。県内での死者は2人目。
県によると、女性は今月8日に発熱のため、同市内の医療機関を受診後、意識不明となり、人工呼吸器を装着して治療が続けられたが、20日に肺炎による呼吸不全で死亡した。女性は心疾患があり、ワクチンは未接種だった。13日に新型インフルエンザへの感染が確認されていた。【栗田亨】
毎日新聞 2010年1月21日 地方版
新型インフルエンザ:タミフル耐性、県内で初検出 /和歌山
県は7日、抗インフルエンザ薬・タミフルに耐性を持つ新型インフルエンザウイルスが県内で初めて検出されたと発表した。全国では30例目。
県によると、男子小学生(8)で、既に回復し、周囲への感染も確認されていない。タミフルが効かないとする情報が掛かりつけ医から入院先の病院に伝わり、子どもにはあまり使われない別の治療薬・リレンザも併用、効果をあげたという。
県環境衛生研究センターは昨年6~12月、入院患者などから選んだ104株のウイルスについて、耐性検査を実施。男子小学生が耐性ウイルスに感染していた可能性があることがわかり、国立感染症研究所が検査して確認した。【最上聡】
毎日新聞 2010年1月8日 地方版
新型インフルエンザ:四街道の43歳男性、県内初の死者 /千葉
県は2日、新型インフルエンザで四街道市の自営業の男性(43)が死亡したと発表した。男性に持病はなく、ワクチンは接種していなかった。新型インフルエンザによる死亡例は県内初で、全国137例目。
県疾病対策課によると、男性は1日早朝に腰やのどの痛みを訴え、午前中に同市の病院を受診。帰宅後に手足のしびれや歩行困難などの症状が出て救急搬送され、成田市内の病院でタミフルを投与されたが、肺炎や呼吸困難に陥り、午後8時10分、多臓器不全で死亡した。
海保郁男・健康危機対策監は「今後も感染予防を周知徹底したい」とコメントした。【中川聡子】
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9月号
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毎日新聞 2010年1月3日 地方版
新型インフルエンザ:患者死亡13例目 /愛知
県は25日、新型インフルエンザに感染していた春日井市の無職女性(45)が同日死亡したと発表した。新型インフルエンザ患者の死亡は県内13例目。女性には慢性心不全、慢性腎不全の基礎疾患があった。【式守克史】
毎日新聞 2009年12月26日 地方版
新型インフルエンザ:県内2人目の死亡 60代男性、院内感染の可能性 /福島
県は21日、新型インフルエンザに感染した県北地方の60代の男性が肺炎で死亡したと発表した。県内の死者は2人目。男性は慢性疾患で入院中だったが、ワクチン接種の対象となる疾患ではないため接種を受けていなかった。県は「新型感染と死亡の因果関係は不明」と話し、直接の死因とは確認されていないとしている。一方、同病院にはインフルエンザの感染者がおり、院内で感染した可能性もあるという。
男性は20日に38・3度の熱があり、個室に移動。インフルエンザの迅速診断キットの検査では陰性だった。21日午前6時ごろに呼吸困難があり、容体が急変して同7時半に死亡した。その後、遺伝子検査で新型感染が確認された。
同病院では1週間前から、男性と同じフロアの入院患者4人、看護師2人に発熱などがあり、うち3人に新型と同じA型の陽性反応が出た。男性が院内で感染した可能性について県は「職員はマスクをし、発熱後は休ませた。発症患者は個室に移し、やるべきことはやったと判断している」という。【関雄輔】
毎日新聞 2009年12月22日 地方版
新型インフルエンザ:50代男性死亡 福山で、県内2人目 /広島
福山市は21日、新型インフルエンザに感染していた市内の50代の男性が、同日死亡したと発表した。県内での新型インフルエンザ患者の死亡は2人目で、同市内では初めて。
市などによると、男性は糖尿病と間質性肺炎の基礎疾患があった。3日に自宅で倒れ、市内の病院に運ばれた。4日に重症肺炎のため市内の別の病院に救急搬送され入院し、タミフル投与や人工呼吸器装着などの処置を受けた。7日に新型インフルエンザの感染が確認された。死因はインフルエンザ肺炎という。【柳沢和寿】
毎日新聞 2009年12月22日 地方版
新型インフルエンザ:京都と舞鶴で感染2人死亡 治療薬は投与 /京都
18日夜から19日にかけ、新型インフルエンザに感染した京都市と舞鶴市の患者2人が相次いで死亡した。府内での感染患者の死亡は計9人となった。
京都市によると、左京区の男性(82)は16日に発熱し、感染を確認。治療薬リレンザを投与されたが、18日夜に肺炎で死亡した。脳梗塞(こうそく)や動脈硬化などの基礎疾患があり、ワクチンは接種していなかった。
府によると、舞鶴市の50歳代の男性は12日に感染が判明。治療薬タミフルを投与されたが、19日午前、肺炎で死亡した。腎疾患と糖尿病を患っていた。ワクチン接種の有無は確認できていないという。【田辺佑介】
毎日新聞 2009年12月20日 地方版
新型インフルエンザ:刈谷の男性死亡--県内死者12人目 /愛知
県は17日、新型インフルエンザに感染した刈谷市の男性(59)が死亡したと発表した。男性はてんかんの基礎疾患があった。県内の死者は12人目。
県新型インフルエンザ対策室によると、男性は13日に39・6度の熱を出し、14日に受診したところ、インフルエンザA型の陽性反応を示したため、タミフルを投与された。
16日午前、呼吸困難となったため、刈谷市の病院に入院。17日午前に死亡し、同日午後、新型インフルエンザに感染していることが確認された。【月足寛樹】
毎日新聞 2009年12月18日 地方版
新型インフルエンザ:県内初の死亡 30代男性、基礎疾患なく /福島
県は17日、新型インフルエンザに感染した県北地方の30代の男性が、インフルエンザ肺炎で死亡したと発表した。基礎疾患はなかったという。県内の新型感染者の死者は初めてで、全国では120人目。
県医療看護課によると、男性は11月18日に40度の発熱と息切れがあり、翌日に病院で受診。すぐに結果が分かるインフルエンザの迅速診断キットでは陰性だったが、急性肺炎のため入院し、抗生物質による治療を受けた。
同22日に病状が悪化し、別の病院に転院して再びキットで検査したが陰性。翌日には呼吸状態が悪化したため人工呼吸器を着け、改めてキットで検査したところA型陽性と判定され、タミフルの投与が開始された。同24日には遺伝子検査で新型感染が確認された。男性は人工呼吸器を着けたまま治療を受け続けたが、12月17日午後3時過ぎに死亡した。
男性は医療従事者ではなく、ワクチン接種はしていなかった。家族にインフルエンザの感染者がいたという情報もあるという。県は「医療機関は新型が疑われる場合、早めにタミフルなどを投与してほしい」としている。【松本惇】
毎日新聞 2009年12月18日 地方版
新型インフルエンザ:49歳男性死亡--県内11人目 /愛知
県は15日、新型インフルエンザに感染した名古屋市の男性(49)が死亡したと発表した。男性は白血病や肺炎などの基礎疾患があった。県内の感染者の死者は11人となった。
県によると、男性は10月26日にせきなどの症状が出たため病院を受診したところ、インフルエンザA型の陽性反応を示し、タミフルを投与された。11月30日には肺炎が悪化して今月1日に入院。新型インフルエンザの感染が確認され、リレンザとタミフルを2回処方されたが15日未明に死亡した。【山口知】
毎日新聞 2009年12月16日 地方版
新型インフルエンザ:安城の62歳女性死亡 県内死者10人に /愛知
県は14日、新型インフルエンザに感染した安城市の女性(62)が死亡したと発表した。女性は悪性リンパ腫(しゅ)の基礎疾患があり、別の病気で入院中に感染したとみられるが、他の入院患者や医療従事者の2次感染はないという。県内の感染者の死者は10人となった。
県新型インフルエンザ対策室によると、女性は11月22日に発熱。受診したところ、インフルエンザA型は陰性反応を示したが、肺炎と診断されたため、安城市の病院に入院した。12月5日に熱が39・2度まで上がって呼吸困難になり、再度検査した結果、A型が陽性反応だったため、タミフルを投与された。
女性は7日に容態が悪化し、遺伝子検査の結果、11日に新型インフルエンザの感染が確認された。14日未明に死亡。死因は肺炎だった。女性は入院当初、微熱だったことから、院内を歩いていたという。同室は「女性は5日には発症しており、他の患者らに感染していれば既に発症しているとみられるが、関係者に症状を示している人はいない」と話している。【月足寛樹】
毎日新聞 2009年12月15日 地方版
新型インフルエンザ:接種後死亡は70件 副作用ケースなし
厚生労働省は13日開いた新型インフルエンザワクチンの副作用に関する専門家検討会で、接種後に死亡した事例が10日までに70件報告されたことを明らかにした。ただし副作用により死亡したケースはなかったとして、検討会はワクチン使用の継続を決めたが、一部については接種が基礎疾患の悪化を招いた可能性が指摘された。
厚労省によると、報告があった副作用は約930万回分の出荷に対して1538件で、このうち死亡70件を含む入院相当以上の重篤例は199件。医療機関が「因果関係あり」と判断したのは、このうち81(死亡は0)件だった。また、専門家の精査の結果、神経まひを起こすギランバレー症候群が4件、呼吸困難や血圧低下などを起こすアナフィラキシーショックが30件含まれていた。
検討会は、副作用や死亡の報告頻度に大きな変化がないことなどから「新たな対応は必要ない」との意見で一致。一方で死亡例の中には、かぜの症状があったのに接種したり、接種後に間質性肺炎などが悪化したケースがあり、基礎疾患のある人への接種リスクについて情報提供の徹底や疫学調査の実施を求める声が出た。【清水健二】
毎日新聞 2009年12月14日 東京夕刊
新型インフルエンザ:患者数、前週比2割減--先週
国立感染症研究所は11日、全国約5000カ所の定点医療機関から報告があったインフルエンザ患者数が、11月30日~今月6日の1週間で1施設当たり31・82だったと発表した。前週(11月23~29日)の39・63より約2割の減少で、1週間で新たに受診した患者の推計も189万人から150万人に減った。
7月以降の累計患者数は1414万人。検出されたウイルスは大半が新型だった。
8月の流行開始以来、定点の患者報告が大幅に減ったのは初めてだが、依然として警報レベルとされる30を超えており、厚生労働省は「大流行の状態は続いており、ピークを過ぎたかどうかは、今後の動向を見ないと分からない」としている。
地域別では、青森と徳島を除く45都道府県で1施設当たりの患者数が減少。福井(60・66)▽大分(54・69)▽山口(54・46)▽宮崎(52・83)の順に高く、32県で30を超えていた。
流行が先行していた北海道と東京は20を切った。【清水健二】
毎日新聞 2009年12月11日 東京夕刊
新型インフルエンザ:北朝鮮で発生 初の公式報道
【ソウル大澤文護】北朝鮮の朝鮮中央通信は9日、北朝鮮の平壌、新義州で計9人の新型インフルエンザ患者が発生したと報じた。北朝鮮側が国内の新型インフルエンザ発生を確認したのは初めて。韓国の李明博(イミョンバク)大統領は8日、北朝鮮に対し治療薬提供などの人道支援を準備する姿勢を示しており、今後、新型インフルエンザ対策をめぐり南北間の接触が実現するかどうかも焦点となる。
中央通信によると、新型インフルエンザ発生に対し、北朝鮮の関係機関は「検疫体系を一層強化し、予防と治療事業を周到に手配している」と強調した。北朝鮮の人権問題解決を訴える韓国のNGOは、新義州を含む中朝国境に近い平安北道(ピョンアンプクド)などで新型インフルエンザが流行し、既に40人以上が死亡したとの情報を公表している。
一方、韓国統一省報道官は9日、人道支援の早期実現に向け「(北朝鮮との間で)通信文を交換したり、連絡官協議を進めるなどさまざまな方法があるだろう」と述べ、今後、南北間の実務接触を準備する意向も示した。
毎日新聞 2009年12月9日 東京夕刊
新型インフルエンザ:北朝鮮で発生 初の公式報道
【ソウル大澤文護】北朝鮮の朝鮮中央通信は9日、北朝鮮の平壌、新義州で計9人の新型インフルエンザ患者が発生したと報じた。北朝鮮側が国内の新型インフルエンザ発生を確認したのは初めて。韓国の李明博(イミョンバク)大統領は8日、北朝鮮に対し治療薬提供などの人道支援を準備する姿勢を示しており、今後、新型インフルエンザ対策をめぐり南北間の接触が実現するかどうかも焦点となる。
中央通信によると、新型インフルエンザ発生に対し、北朝鮮の関係機関は「検疫体系を一層強化し、予防と治療事業を周到に手配している」と強調した。北朝鮮の人権問題解決を訴える韓国のNGOは、新義州を含む中朝国境に近い平安北道(ピョンアンプクド)などで新型インフルエンザが流行し、既に40人以上が死亡したとの情報を公表している。
一方、韓国統一省報道官は9日、人道支援の早期実現に向け「(北朝鮮との間で)通信文を交換したり、連絡官協議を進めるなどさまざまな方法があるだろう」と述べ、今後、南北間の実務接触を準備する意向も示した。
毎日新聞 2009年12月9日 東京夕刊
新型インフルエンザ:国内死者100人に 京都の74歳死亡
厚生労働省は6日、新型インフルエンザに感染していた京都市の男性(74)が死亡し、国内の感染者の死者が100人になったと発表した。厚労省によると、男性は4日に発症、抗インフルエンザ薬のタミフルを服用したが、5日に自宅で急性呼吸不全により死亡した。悪性リンパ腫や糖尿病の基礎疾患があり、11月16日にワクチンの優先接種を受けていたという。【清水健二】
毎日新聞 2009年12月7日 東京朝刊
新型インフルエンザ:山口の4歳児死亡
山口県は4日、新型インフルエンザに感染していた山口市の男児(4)が1日に死亡したと発表した。男児に基礎疾患はなく、先月25日に新型インフルエンザのワクチンを接種していた。
県健康増進課によると、男児はワクチンを接種した3日後の先月28日夜までは普段通りに生活していたが、29日午前0時過ぎに呼吸をしていなかったため病院に運ばれ、1日にくも膜下出血のため死亡した。病院搬送時に実施したインフルエンザの簡易検査で陰性だったが、死亡後の遺伝子検査で感染が確認された。新型インフル感染やワクチン接種と死因との因果関係は不明という。【井上大作】
毎日新聞 2009年12月4日 東京夕刊
新型インフルエンザ:山口の4歳児死亡
山口県は4日、新型インフルエンザに感染していた山口市の男児(4)が1日に死亡したと発表した。男児に基礎疾患はなく、先月25日に新型インフルエンザのワクチンを接種していた。
県健康増進課によると、男児はワクチンを接種した3日後の先月28日夜までは普段通りに生活していたが、29日午前0時過ぎに呼吸をしていなかったため病院に運ばれ、1日にくも膜下出血のため死亡した。病院搬送時に実施したインフルエンザの簡易検査で陰性だったが、死亡後の遺伝子検査で感染が確認された。新型インフル感染やワクチン接種と死因との因果関係は不明という。【井上大作】
毎日新聞 2009年12月4日 東京夕刊
新型インフルエンザ:80代女性、県内初の死亡 最優先接種対象外 /島根
県は30日、簸川郡内に住む80代女性が、新型インフルエンザ感染によるとみられる肺炎で死亡したと発表した。県内での死者は初めて。【鈴木健太郎】
県薬事衛生課によると、死亡した女性には糖尿病の持病があったが重いものではなく、11月始まった新型インフルエンザワクチンの最優先接種対象外だった。女性は23日からせきの症状があり、25日に近くの診療所を受診していた。27日には37度の発熱で、診療所での簡易検査でインフルエンザA型プラスの反応があり、呼吸困難の症状が出たことから、出雲市内の病院に入院。タミフルの処方を受けたが、30日早朝に肺炎を併発し死亡。女性からは新型インフルエンザのウイルスが検出された。
県健康福祉部の牧野由美子・医療統括監は「新型インフルエンザは現在、小中学生を中心に感染が広がっているが、発熱がしにくい高齢者についても、風邪の症状が出た時は慎重に経過をみる必要がある」と話している。
毎日新聞 2009年12月1日 地方版
新型インフルエンザ:県内医療機関で初、長崎の40代女性が死亡 /佐賀
県は30日、新型インフルエンザに感染し、県内の医療機関に29日未明入院して治療を受けていた長崎県内の40代の女性が死亡したと発表した。死因は重症肺炎による多臓器不全。女性には糖尿病の基礎疾患があったという。県によると、女性は新型、季節性ともに予防ワクチンは接種していなかった。佐賀、長崎両県内での新型インフルエンザによる死亡例は初めて。
県によると、女性は24日からせきや全身のけん怠感があり、28日夜から呼吸困難の症状が出た。
このため29日午前0時半ごろ、県内の病院の救急外来を受診。直ちに入院したが、心肺停止状態になり、同日午後9時前に死亡した。
新型インフルに感染して亡くなった患者は、25日現在、全国で73人という。【上田泰嗣】
毎日新聞 2009年12月1日 地方版
新型インフルエンザ:県内医療機関で初、長崎の40代女性が死亡 /佐賀
県は30日、新型インフルエンザに感染し、県内の医療機関に29日未明入院して治療を受けていた長崎県内の40代の女性が死亡したと発表した。死因は重症肺炎による多臓器不全。女性には糖尿病の基礎疾患があったという。県によると、女性は新型、季節性ともに予防ワクチンは接種していなかった。佐賀、長崎両県内での新型インフルエンザによる死亡例は初めて。
県によると、女性は24日からせきや全身のけん怠感があり、28日夜から呼吸困難の症状が出た。
このため29日午前0時半ごろ、県内の病院の救急外来を受診。直ちに入院したが、心肺停止状態になり、同日午後9時前に死亡した。
新型インフルに感染して亡くなった患者は、25日現在、全国で73人という。【上田泰嗣】
毎日新聞 2009年12月1日 地方版
新型インフルエンザ:2歳男児が死亡--藤沢市 /神奈川
藤沢市は30日、同市内の男児(2)が同日、新型インフルエンザで死亡したと発表した。
市によると、男児は同日未明、38・9度の熱が出たため医療機関を受診し、タミフルを処方され帰宅した。昼すぎに熱が40度を超えたため救急車で病院に搬送されたが、同日夕死亡した。
市保健所によると、男児に基礎疾患はなかったという。同市内での新型インフルエンザによる死亡は初めて。【永尾洋史】
毎日新聞 2009年12月1日 地方版
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